フリーランスの美容師の働き方と課題とは?具体的な解決方法まで解説
公開日:2024年1月31日
フリーランスの美容師への転身を考えている方の中には、「活躍していけるのか」「収入を確保できるのか」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。すでにフリーランスの美容師として活動しているものの、課題を抱えている方もいるでしょう。
この記事では、フリーランスの美容師の概要からメリット・デメリット、具体的な課題解決方法までご紹介しているので参考にしてください。
フリーランスの美容師は個人事業主として活動する
フリーランスの美容師は、サロンに雇用されることなく個人事業主として活動する美容師の総称です。雇用契約を結んでいないため、自由な働き方を実現できます。フリーランスの美容師の働き方は業務委託、面貸し、シェアサロンに大別されます。業務委託はサロンと契約を結び、そこでの施術業務を担当するものです。面貸しはサロンのブースを間借りして営業します。
利用料として、レンタル料や売上の歩合の支払いが必要です。面貸しはサロンの稼働していない席を借りるものであり、利用できる時間は予約状況によって異なります。サロンの稼働状況により、フリーランスの美容師の施術できる時間が左右されるため、スケジュール管理が難しいです。面貸しの利用条件はサロンによってさまざまなので、事前によく確認しておく必要があります。
シェアサロンは複数の美容師が利用できるサロンです。レンタル料や歩合の支払いにより、ブースの時間貸しや月単位での利用ができます。シェアサロンはレンタルできる時間が長く、面貸しよりも稼働時間を上げられます。自身の予約状況に合わせてレンタルすれば、レンタル料を抑えた稼働が可能です。
フリーランスの美容師の収入
フリーランスの美容師の収入は売上に依存します。サロンで雇用される場合は固定給が支給されますが、フリーランスの美容師は売上が収入となり、そこからレンタル料や歩合を支払います。つまり、売上が高いと手元に残る金額は多くなるため、高収入を得ることも可能です。反対に、売上が少なければ収入も低くなり、人気によって収入が大きく変動します。
なおレンタル料は時間に対して、歩合は売上に対してかかるため、自身の売上状況によって、最適な利用条件が変わります。売上が少なければ歩合を、高ければレンタル料を支払う方が手元に残るお金が増えると覚えておくと、有利な利用条件での契約が可能です。
美容師がフリーランスになるメリット
美容師がフリーランスになるメリットは、柔軟な働き方ができることや、収入に上限のないことなどが挙げられます。サロンの方針に縛られないので、独自のスタイルの確立やブランディングが可能です。ここでは、フリーランスの美容師のメリットをご紹介します。
1. 実力があれば高収入も期待できる
フリーランスの美容師の収入は、自身の売上に比例して上がります。月給制のサロンに在籍している場合、いくら売上を上げたとしても、基本的に毎月決まった金額だけが支払われます。フリーランスの美容師の場合、売上からサロン利用料や歩合、その他経費を引いたものが収入です。つまり、売上を上げれば上げるほど収入を増やせるため、実力があれば高収入も期待できます。
2. 人間関係のトラブルが少ない
フリーランスの美容師になると、サロン内における人間関係の悩みが少なくなります。雇用関係にあると、経営者や社員同士の関わりが深く、円滑な人間関係の構築が求められます。良好な関係が築ければよいものの、しばしばトラブルが起こることもあるようです。サロン内で人間関係のトラブルが起こると距離を置くのは難しく、解決に迫られるためストレスを抱えることになります。フリーランスなら適度な距離感を保って働けるので、人間関係のトラブルは少なく済みます。
3. 初期費用が安く済む
フリーランスの美容師は開業に伴う初期費用が少なく済みます。オーナー美容師になって自身のサロンをオープンしようとすると、テナントや内装、機材、備品などの準備に数百万円の費用がかかります。そのため、貯金や借入で初期費用を準備しなくてはなりません。一方、フリーランスの美容師ならオーナーと比べて金銭的な負担が少なく済みます。ただし、面貸しやシェアサロンで活動する場合は、消耗品の準備が必要であり、場合によっては機材を揃えなければならないこともあります。
フリーランスの美容師のデメリット
自由度が高いというメリットのある一方で、フリーランスの美容師には収入面の不安を始めとするデメリットもあります。ここでは、これらのデメリットについてご紹介します。
1. 集客を自力で行わなければならない
フリーランスの美容師は待っていても顧客は付かず、自力で集客しなければなりません。社員としてサロンに在籍すれば、新規顧客を振ってもらえるため、自身で集客する必要はなく、サロンの集客力に頼れる状況です。
ところが、フリーランスになると業務委託でない場合、サロンが集客した顧客の担当はできません。そのため、フリーランスの美容師は自ら集客する必要があります。固定客がついていない状態でフリーランスになると、認知されるまで手が空いてしまいがちです。
また、フリーランスの美容師になる前からの固定客が多ければ、ある程度の稼働は可能であるものの、売上を伸ばすには集客が必要です。フリーランスの美容師はサロンで雇用されている場合と違い、収入の保証がありません。良くも悪くも、集客次第で収入が変動します。集客が順調で売上が高ければ得られる収入も大きくなるものの、持続する保証はなく将来の見通しも立てにくいと言えるでしょう。
2. 自己責任の範囲が広い
フリーランスの美容師はサロンとの雇用契約がなく、個人事業主として活動するため、責任範囲は広いです。意思決定、スケジュール管理、トラブルの解決、法律・法令遵守といったあらゆる責任を果たす必要があります。自身のスキルやキャリアアップに関しても自己責任であり、情報収集して学ぶ機会を得なければ、求められる技術や知識が身に付かず、顧客離れにもつながってしまうでしょう。つまり、フリーランスの美容師は自身の行動に伴う結果や将来について、全責任を負うという自覚が必要です。
また、フリーランスの美容師になると個人事業主としての責任が生じ、確定申告をしなければなりません。確定申告は納税金額を確定させるために、1年の収入を税務署へ申告するものです。確定申告は一定の収入があれば義務とされるため、フリーランスの美容師で生計を立てるなら避けては通れません。売上や経費管理の手間がかかり、税務知識も必要です。
3. 内装を変更しにくい
フリーランスの美容師はすでにあるサロンやスペースを利用して施術するため、内装を変えられません。独自の雰囲気を演出したいと思っても、手を加えられる範囲は限られています。サロンの内装にこだわりたくても、権限のないフリーランスの美容師では実現が困難です。
フリーランスの美容師が直面する課題
フリーランスの美容師として活動する上で、向き合わなければならない課題がいくつかあり、事業を継続するにはそれらを乗り越える必要があります。ここで、フリーランスの美容師の課題を確認しておきましょう。
1. 集客がうまくいかない
フリーランスの美容師が売上を獲得するには、集客が必須です。集客はすぐに結果の出るものではなく、地道な積み重ねによって広告が顧客に届き、信頼を得て来店につながります。集客方法は広告出稿やSNS発信が基本です。広告は個人から企業まで出稿しており、競争が激しくなっています。その中で、自身の広告に目を留めてもらうには、一定の知識と行動量が必要です。このように、集客の難易度は高く時間がかかるため、フリーランスとして独立する前に取り組んでおくのが望ましいです。
2. 回転率が低い
1人の顧客への対応時間が長いと回転率が低くなり、売上が伸びません。知名度や実績がなければ高い単価を設定しても顧客は集まりにくいため、始めのうちは施術数をこなすことで、売上を上げる方針になるでしょう。
そこで課題になるのが回転率の向上です。基本的にアシスタントが付かないフリーランスの美容師の場合、業務が多岐にわたります。施術ならカットやシャンプー、カラー、パーマ、ドライ、スタイリングなど、複数の工程をこなさなければなりません。業務を早くこなして回転率を高めるには効率化が求められます。また、夕方から夜になると疲労が溜まり、体力的な問題で施術ペースが落ちることも考えられます。売上を上げるには、1日を通してより多くの顧客にサービスを提供する工夫が必要です。
3. 施術に専念できない
フリーランスの美容師は施術に加えて、雑務や事務作業などの業務をこなす必要があります。具体的には始業準備やカルテ作成、帳簿付け、掃除、片付け、予約管理、会計処理などです。施術以外の業務負担が大きければ大きいほど、施術のクオリティが落ちてしまったり、顧客とのコミュニケーションを十分にとれなくなったりするおそれがあります。施術に専念できないことで顧客が離れていけば、売上の低迷にもつながりかねません。美容師自身も、満足のいくサービスを提供できずジレンマに陥る可能性があります。
かといって、施術以外の業務をおろそかにすると、弊害が生じます。例えば予約管理がおろそかになれば、予約ミスによって顧客の信頼を失ったり、機会損失につながったりするでしょう。掃除や片付けが不十分だと、衛生面で顧客に不信感を与えてしまうかもしれません。
施術に専念できるよう、その他の業務を効率よく進める工夫が大切です。
フリーランスの美容師の課題解決
フリーランスの美容師の課題を解決するには、集客の土台を作ることと、安定したサービス提供ができる体制の構築が必要です。具体的な解決方法を解説します。
1. 業務委託から始める
フリーランスの美容師であっても業務委託なら、集客をサロンに任せられます。業務委託は面貸しやシェアサロンでの活動に比べると、稼働状況が安定しやすいです。自身に十分な数の顧客が付いておらず、知名度もない状態であれば、集客に苦労します。業務委託からフリーランス活動を開始し、SNSやホームページでの発信を積み重ね、ファンを増やしてから面貸しやシェアサロンへ移行する流れが望ましいです。
2. 効率化ツールの導入
フリーランスの美容師の業務による負担を軽減できるツールがあるので、積極的に活用するのがおすすめです。効率化を図れる具体的な業務として、予約やカルテ、スケジュール管理、帳簿付けが挙げられます。これらを効率化すれば、施術や顧客とのコミュニケーションといった、品質および満足度に直結する業務に割く時間を増やせます。
自社予約システムと予約管理システムをワンストップで導入可能
予約管理からデータ分析まで
予約管理のお悩みを一括解決!
ご要望に合わせて最適な機能・料金プランを
ご提案します。
基本的なサロン管理機能はもちろん
他にはない機能が多数そろっています。
BeautyMeritの
お申し込み・お問い合わせはこちら