美容室経営で失敗しないためには?押さえるべきポイントや注意点を徹底解説!
公開日:2023年3月7日
美容師として働いているなら、「自らの美容室を開業して成功させたい」と考える人も多いはずです。あるいはすでに独立したものの、「いまひとつ経営が軌道に乗らない」と悩んでいるサロンオーナーの方もいるでしょう。
独立開業したら、一国一城の主として店舗を経営していかなければなりません。雇われていたころには味わえなかった魅力がある一方、失敗のリスクに向き合うことも必要です。本記事では美容室経営で失敗しないために押さえておくべきポイントや注意点を紹介します。
美容室経営の魅力
雇われている状態から独立して、自分の店を開業することにはいくつかのメリットがあります。中でも代表的なのが「自由な働き方ができる」ことと、「大幅な年収アップが目指せる」ことでしょう。それぞれの魅力を紹介します。
自由な働き方ができる
美容室経営のメリットの一つが、自由な働き方ができることです。オーナーになると勤務日や勤務時間を自由に決められます。自分の裁量で休みや働く時間を決められるため、ワークライフバランスも実現しやすくなるはずです。
予約が入っていなければ自由時間として、動画を見るなり雑誌を読むなりも可能であり、行動に制限もありません。「今夜は予約が入っていないから、早めにクローズしよう」などとフレキシブルな決断ができるでしょう。
働き方だけでなく、自分がやりたいことを全て行えるようにもなります。店内のレイアウトはもちろん、インテリアやBGMに至るまで、経営者には自分で決定する権利があります。雇われているときには、オーナーや店長の許可を得なければならなかったことも、自分自身の責任で行えるのです。好きなようにできるのですから精神的なストレスもたまりにくいはずです。
大幅な年収アップを目指せる
独立開業すれば、経営努力次第で年収が上がる可能性もあります。令和3年に厚生労働省が発表したデータによると、従業員10名以上のサロンに勤務する美容師の平均月収(きまって支給する現金給与額)は265,000円。年間賞与その他特別給与額は60,700円でした。勤務する美容師は月給や賞与が低目で、年収で他の職種に見劣りする傾向があります。(※)
しかし、自らが経営者になれば、売上から経費を引いた利益を収入にできます。つまり経営手腕や努力で年収を上げられるのです。実力や経営センスによっては1000万円以上の年収も夢ではありません。
雇用されている状態では、大幅な収入アップが望めないことも多いはずです。その点、独立開業してオーナーになると、自分の力で収入が伸ばせます。やりがいを感じる方も多いのではないでしょうか。
出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html(2023-01-14)
美容室経営には失敗のリスクもある
美容室経営には魅力がある反面、リスクもあります。大きなリスクとして挙げられるのは美容室同士の競争の厳しさで集客が伸びないことです。厚生労働省によると、2020年の時点で営業している美容室の数は全国に25万7890軒。同年末のコンビニエンスストアの店舗数は5万5924軒と、美容室の数はコンビニエンスストアの約4.6倍もある計算です。
それだけの美容室が限られたお客さまを奪い合っているため、美容業界では「1年以内で閉店するサロンは60%、3年以内だと90%」だとされています。
厚生労働省のデータを見ても毎年約1万3500軒の美容室が開店しながら、同時に約1万件が廃業している現状です。実際に街を歩いていても美容室の入れ替わりの激しさを目にします。その中で生き残っていくためには、経営努力をしなければなりません。失敗のリスクは決して小さくないのが現状です。
出典:厚生労働省「令和2年度衛生行政報告例・生活衛生関係」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/20/dl/kekka3.pdf(2023-01-14)
出典:日本フランチャイズチェーン協会「JFAコンビニエンスストア統計調査月報(2020年12月)」
https://www.jfa-fc.or.jp/particle/70.html(2023-01-14)
美容室経営が失敗する原因
ではなぜ美容室経営に失敗してしまうのでしょうか。失敗の原因としてよく見られるのは次に挙げる5つです。
それぞれを詳しく解説します。実際の失敗例を参考に、同じ失敗をしないよう注意しましょう。
1.コンセプトが定まっていない
美容室経営に失敗する原因の一つに、サロンの「コンセプトが定まっていない」ことがあります。コンセプトとは、そのお店の"ウリ"をひと言で表すもの。具体的には「どのようなお客さまのニーズに応え、その美容室が何を目指しているのか」を表す指針です。
コンセプトが明確なサロンは、他店との差別化を図れるため、ターゲットとなるお客さまに選ばれやすくなります。またコンセプトが明確であればスタッフ全員がまとまりやすく、目指す方向に共に進めるでしょう。
例えばコンセプトを「子育てママがうれしいサロン」としている場合、洗面所にオムツ台を用意したり、子どもが遊べるキッズスペースを設けたりすることでコンセプトを体現できます。子どもと一緒に移動してくることを想定して、大きな自転車や自動車を停めやすくするのもコンセプトに沿ったアイデアです。
コンセプトを明確にして、それをお店のウリとして発信していくと、ターゲットとなるお客さまを集めやすく、なおかつスタッフのサービスもそれに合わせられます。開業の前に自分の店のコンセプトを決めて、開業後もコンセプトを発信し続けていくのが、成功するポイントです。
2.家賃負担を考慮していない
美容室を運営して行くにはテナントが必要です。テナントを借りている限り、家賃はずっと発生し続けます。美容室の家賃は一般的に売上の10%が目安といわれています。月に100万円の売上なら家賃は10万円前後が一つの目安です。
上記場合、1カ月(30日)の10%、つまり3日で家賃分の売上を稼がなければなりません。なお、家賃負担の理想的な割合は売上の5%以内とされています。理想に近づけたいなら、1.5日の営業で月の家賃分を稼ぐことが目標です。
テナントの家賃は、営業日が20日であろうと30日であろうと原則変わりません。もし、1日当たりの売上が伸びないなら、営業日を増やしたり、営業時間を伸ばしたりする工夫も戦略の一つです。
美容室を開業する際に大切なのは立地です。しかし、ブランド力のある街の駅前一等地に店を構えておけば必ず成功するという訳でもありません。一等地はそれだけ家賃が高いためです。新たな出店を考えているなら、家賃と売上のバランスを考えながらテナントを選ぶのが重要です。
3.営業資金の不足
失敗した美容室の多くが、営業資金不足に陥っています。美容室を営業していくには家賃・水道光熱費・従業員への給与の支払いが必要です。銀行から融資を受けているのであれば、返済に充てるお金もかかるでしょう。
しかし運転資金に余裕がないと、思うように売上の伸びない月があった場合、すぐに資金がショートしてしまうかもしれません。自身が病気で働けなくなったり、機材の故障などのトラブルがあったりした場合も、営業資金が行き詰まる可能性があります。
そのため美容室を開業する際は、運転資金として固定費の3〜6カ月分を用意しておくと安心です。不測の事態が起きても営業を続けられるでしょう。
独立する際には、つい理想を求めて内装や設備に予算を掛け、開店資金を費やしてしまいがちです。その結果、運転資金に余裕がない状態でオープンしてしまう事例が少なくありません。しかし開店資金だけでなく、経営を続けるための運営資金も確保しておくことが大切です。
4.集客力の不足
集客力不足も失敗の原因です。開業すると自然にお客さまが集まるわけではありません。新規客に来てもらうためにも、ある程度の宣伝費を準備して、お店を知ってもらうことから始める必要があります。
宣伝資金に余裕がなくても、SNSなどの活用で店舗の認知度を上げて集客に役立てるなど、取り組めることはたくさんあります。SNSは原則無料で活用でき、ターゲットとなる客層に絞った発信もできるため、手間をかける価値はあるでしょう。中でもInstagramは、得意なヘアスタイルやサロンの雰囲気を写真で紹介でき、直接予約できる機能なども搭載されています。2023年1月現在では、数あるSNSのうち、特に美容室経営に向いているものと言えるでしょう。
また新規客を集めると同時に、一度来てもらったお客さまにリピーターになってもらうことも大切です。SNSでポイントが貯まるシステムなどを活用すればリピート率のアップも期待できます。
5.人材(スタイリスト)の不足
せっかく起動に乗りかけても、スタイリストの確保が追いつかず、人材不足で失敗するケースもあります。もともと美容師は人材不足の傾向にあり、厚生労働省の調べによると、美容師を含む生活衛生サービス全体の有効求人倍率(2022年11月時点)は3.33倍。3件以上の求人に対して1人の応募しかない売り手市場です。人手が集まりにくいため、人材不足で失敗する美容室も出てきます。
美容師は一日中立ちっぱなしで、拘束時間が長くなりがちです。また「雑務が多い」「下積み期間が長い」「労働環境が厳しい」などのイメージもあります。人手を集めるなら、美容室経営者は若いスタイリストが働きやすい環境を整えることも大切です。例えば、予約管理・顧客管理システムを整備しておけば、スタイリストが電話対応などに煩わされず、お客さまに集中できる環境となるでしょう。
※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年11月分)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001026658.pdf(2023-01-17)
開業前に押さえておくべき美容室の経営テクニック
開業前に押さえておくべき、美容室の経営テクニックには次のようなものがあります。
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
1.準備期間を設けて資金計画を立てる
美容室の開業までには、しっかりと資金計画を立てておくことが大切です。一度店舗をオープンさせたら簡単には移転できません。また、資金不足に陥って早々に撤退することがないよう事前に資金計画をしっかり建てておくことが大切です。
場所や規模によっても変わりますが、美容室の開業費用としては一般的に1,000万円〜1,200万円ほどが必要とされています。主な内訳は内外装工事(約500万円)、設備費(約200万円)、運転資金(約200万円)、テナント費用(約150万円)などです。
それだけの資金を自身の蓄えだけでまかなえる人は少数派で、銀行や国民金融公庫のような金融機関から融資を受ける人も多いでしょう。その際にも事業計画書や創業計画書の提出が求められます。
事業計画書とは、数字を使って客観的に経営計画を具体化した書類のこと。創業計画書とは、どういった事業を始めるのかを説明する書類のことです。それらの書類で資金計画に無理がないことを証明できると、金融機関の審査も通りやすくなります。
2.戦略的な客単価を設定する
美容室経営を成功させるためには、客単価の設定が重要です。厚生労働省によると美容業の平均的な客単価は6000円台が中心です。場所によっても客単価は変わり、複合施設内は「8,000〜9,999円」が多い割合になっており、その他は「4,000〜5,999円」が比較的多い割合になっています。(※)
自分が開業する店の場所を決めたら、エリア周辺の情報をしっかり集めて客単価を設定するようにしましょう。売上は「客単価×客数」で決まるため、客単価を下げるなら回転数を上げるしかありません。一方、客単価が高ければ高いほどお客さまにゆったりとしたサービスを提供できます。
もし客単価を周辺の相場よりも高く設定する場合は、なんらかの付加価値が必要です。例えば「マンツーマンで全てのケアを個室にて行う」「役立つ情報を提供できる」などの付加価値があれば、顧客満足度が向上し、周辺との価格競争にも対抗できるはずです。自分の店がどのような付加価値をお客さまに与えられるのかも考えて、客単価を設定してください。
※出典:厚生労働省「美容業の実態と経営改善の方策」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000501316.pdf(2023-01-17)
3.物品販売で客単価アップを狙う
客単価をアップさせるためには、物品販売(物販・店販)が有効な手法です。美容室が行う物販としては、シャンプー・トリートメントなどのへアケア商品が一般的です。最近はアパレルや食品、サプリメントなどのアイテムを販売するケースも増えています。
物販を行うと、従来のカット料金やカラー料金などの技術代金に物販の利益を上乗せできるため、客単価の向上が見込めます。物販は基本的には商品を置いておくだけのため、人的リソースも原則必要としません。
施術中の対話や読んでいる雑誌などで、お客さまの興味がわかれば、販売促進もさりげなく行えます。市販されていない、美容師おすすめのヘアケア商品などを紹介することで、顧客満足度も高まるでしょう。商材がお客さまにフィットすればリピーターになってくれるため、集客にもつながる可能性があります。
4.ライバル店と差別化する
前述したように、美容室はコンビニエンスストアよりも多く街にあふれています。その中で自分の店を選んでもらうには「選ばれる理由」が必要です。ライバル店にはないサービスや技術をアピールして差別化しましょう。
例えば「オーガニックにこだわっている」「本格的なアロマを体験できる」「サービスの紅茶がおいしい」などの差別化を図ることができれば、選ばれる理由となるでしょう。
5.リピーターを増やす仕組みを作る
多くの美容室では新規顧客の開拓よりも、リピート率向上の施策を実施する方が、集客コストはかかりません。安定した経営をするためには、リピーターを増やす仕組みが必要です。より多くのお客さまにリピーターになってもらうには、美容室のターゲットを明確にして集客した上で、お客様のニーズを満たす寄り添ったサービスを提供しましょう。
来店してくれたお客さまとSNSでつながるなど、来店後もコミュニケーションを取れるようにするのも有効です。次回予約を勧めるだけでなく、お礼のメールや定期的な情報提供などのやりとりを行いましょう。「ポイントを付加する」「会員ランクを設けて特典を提供する」などの「囲い込み」もリピーターを増やすためには有効です。
6.業務効率化につながるツールを活用する
美容室の経営を成功に導くためには、ITツールを活用すると良いでしょう。あらゆる分野でDXが進んでいる今は、美容院の経営を助けるツールにもさまざまなものがあります。中でもおすすめなのが、集客と顧客接点の最大化を図れるツール「BeautyMerit(ビューティーメリット)」です。
BeautyMeritは、美容室に特化したiPhone・Androidの公式スマートフォンアプリが作成できるサービスです。お客さまが24時間365日、いつでも美容室の予約をアプリから簡単に行えるため、予約受付に人的リソースを割く必要がありません。
またBeautyMeritはInstagramの連携パートナーとなっており、アカウントを連携させるだけでブランディングから集客・予約受付までができるようになります。集客や顧客接点の拡大にも効果を発揮するでしょう。美容師さんの声から生まれたBeautyMeritを導入することで、他店との差別化を図りながら美容室の運営がより効率的になるはずです。
まとめ
美容師として独立するなら、失敗しないためのポイントをきちんと押さえておくことが大切です。ありがちなパターンや成功するためのコツを理解した上で、開業前に準備するようにしてください。美容院の経営支援ツールを活用すると、より効率的に美容室の運営を軌道に乗せられるのでおすすめです。本記事の内容を参考に、しっかりと情報を集めてから、自分だけの美容室経営にチャレンジしましょう。
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